逆効果になるSEO対策
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SEOとは
SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略で、検索結果におけるウェブページの表示や位置を改善するための手法です。 検索エンジンは、人々がオンラインコンテンツを発見し、アクセスするための最も重要な手段であるため、優れたSEO戦略は、ウェブサイトへのトラフィックの質と量を向上させるために不可欠です。
逆効果になるSEO対策
Googleやインターネットのが大きく進化しているのにも関わらず、時代遅れの悪質なSEO対策が未だに蔓延しています。 ウェブサイトの所有者自身が、もはや通用しないことを認識していないため、ウェブページや検索順位、トラフィック、コンバージョンに悪影響を与え続けている場合もあります。
では、SEOにおいて「してはいけないこと」とは何でしょうか。ここでは、不利に働く可能性のあるSEO戦術をご紹介します。
1つのキーワードやトピックに集中してSEO対策を行う
どうしても上位表示させたいキーワードやトピックがあると、そのキーワードを中心に全体の戦略を立ててしまう傾向があります。 1つのキーワードで複数のブログやウェブページ、ランディングページを作成することが多いです。
しかし、そうすると、ページ同士が競合してしまいます。1つの強力なページに集中するのではなく、多くのページに労力を割くことで、結果的に上位表示の可能性が低くなってしまいます。 これは「カニバリゼーション」と呼ばれています。
キーワードを使いすぎる
かつては、ターゲットとなるキーワードをページ内で何度も使用すると、そのキーワードでの上位表示が可能になりました。 しかし、検索エンジンのアルゴリズムは進化し、不自然にキーワードを使いすぎているWebサイトを認識できるようになりました。 キーワードの詰め込みを優先するのではなく、逆にスパムだと判断し、検索結果の上位に表示させないようにアルゴリズムが変更されました。
Googleは、ガイドラインに「ページをキーワードや数字で埋め尽くすことは、ユーザーエクスペリエンスの低下を招き、サイトのランキングに悪影響を及ぼす可能性があります」と明記し、こういった戦略を使用しないように促しています。
キーワードの詰め込みを避けるためには、読者にとって価値のある自然な方法でキーワードを使うようにしましょう。 量よりも質を重視しましょう。
ブラックハットSEO
ブラックハットSEOとは、検索エンジンのガイドラインに違反して、不正にウェブサイトを上位表示させるための戦術です。 検索エンジンのアルゴリズムを操作して、検索サイトの表示順位を上げようとする手法です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、どのような行為がガイドラインに反するかを明確にしています。また、ガイドラインに違反した場合に起こりうる結果についても明確にしています。 ブラックハットSEOを使用すると、ウェブサイトはペナルティを受ける可能性があります。 また、近年は検索サイトのアルゴリズムが大きく進化し、そもそも不正に検索順位をあげることができないようになっています。
リンクビルディングを増やす
リンクビルディング(他のサイトからリンクを貼ってもらう被リンク数を増やすこと)は正しく行われれば、ドメインの信用度とサイトの検索結果表示ランキングを向上させることができます。 しかし、スパム的なリンク構築戦略は、逆にウェブサイトに害を及ぼし、Googleのガイドラインに違反する可能性があります。
例えば、ランキングを向上させるために金銭を払い被リンク数を増加させたり、自動プログラムを使って自分のウェブサイトへのリンクを作成したりすることは禁止されています。
また、Googleは 「過剰なリンクの貼り合い」にも注意を促しています。信用度の低いウェブサイトから多数のリンクが張られていると、逆にドメインオーソリティが下がります。 また、それらのリンクがGoogleにスパムと受け取られてしまうと、ペナルティを受ける可能性もあります。
Googleのジョン・ミューラー氏は、バックリンクの総数はリンクの質ほどにはランキングに影響しないと述べています。 そのため、リンクビルディングを行う際には、あなたのサイトと関連性の高いウェブサイトを狙うことに集中しましょう。
ネガティブSEOをする
ネガティブSEOとは、自社の検索結果表示順位を上げるために、上位に表示されている競合の表示順位を下げることに焦点を当てることです。 しかし、検索エンジンのアルゴリズムは改良し、ネガティブSEOを行っているサイトを検索エンジン自体が見抜けるように進化しています。
Googleのジョン・ミューラー氏は、「競合が私のサイトに対してネガティブSEOを仕掛けてきます。どう対処すれば良いでしょうか。」という質問に対して、「競合がそのような無駄な作業をしている時間を使って、その間に自分のサイトを進化させ続けましょう」と語っています。 以前は通用していた戦略ですが、近年では通用しなくなっているのです。 また、逆に自分のウェブサイトがネガティブSEOの被害に遭っていると感じたら、通報することも重要です。 通報してグーグルに訴え得ることにより、相手サイトはペナルティを被り、結果的に自分のサイトの検索順位を上げることにつながるのです。
短く端的なコンテンツにする
短い文字量で端的に説明したコンテンツは、SEOでは不利になってしまいます。また、長すぎるコンテンツも読者は途中で飽きてしまいます。最も上位に表示されやすいコンテンツは長文(1,900~3,000語)というデータがあります。 また、最もSNSでシェアされやすい記事も上記のような長文の記事です。 ブログを検索結果に表示させたい場合は、1,900~3,000語を目安にすると良いでしょう。
さいごに
SEOは、インバウンド戦略の柱です。 しかし、やりすぎると、逆効果になってしまいます。 これまでマーケターは、Googleのアルゴリズムにアピールして順位を上げるために、いくつかの検索ランキング要因を特定し、その要因を中心に最適化することに成功してきました。
しかし、アルゴリズムはより賢く、よりユーザーを重視するようになってきており、そのような戦術はもはや通用しません。 SEOに近道はありません。確立した方法もなく、運要素が多いです。 ですから、簡単な方法でランキングを劇的に向上させた例があったとしたら、それは運が良かっただけとも言えます。 手っ取り早い方法もありますが、SEOは全体的に長いゲームであり、試行錯誤が必要です。
Googleはこれまで以上に賢くなっています。 Googleのアルゴリズムは、人々がGoogleの目を欺こうとしているかどうかを判断するように作られており、テクノロジーが賢くなればなるほど、ユーザー主導でないものから支持を得るのは難しくなるでしょう。 最近のアルゴリズムのアップデートでは、検索クエリに最適な回答ができるように、コンテンツを理解するGoogleの能力を向上させることに重点が置かれています。 つまり、技術的に完璧なウェブサイトよりも、新しく関連性のある有益なコンテンツが優先されているのです。