バイヤー・ペルソナとは

  • はじめに

    インターネットやテクノロジーが進化した現代は、従来よりも非常に多くの広告やマーケティングコンテンツが存在します。 インターネット上において、ブログやソーシャルネットワーク上、Youtubeなど動画サイト上など、どこを見ても広告がたくさん存在しています。 だからこそ、特定の消費者にターゲットを絞って的確なマーケティング活動を行わなければなりません。 そうでなければ、膨大な数のマーケティングコンテンツの中から目立ち、見込み客を引き寄せることは難しいでしょう。

    そこで、購入者のバイヤー・ペルソナを設定することで、対象となる顧客の心に響くマーケティング戦略を立てることができます。 不特定多数の誰にでもに向けたマーケティング資料を作るのではなく、製品やサービスから利益を得られると分かっている特定の人たちに焦点を当てたマーケティングコンテンツを作る必要があります。

    バイヤーペルソナとは

    バイヤー・ペルソナとは、端的にいうと「ターゲット層」です。過去の情報やデータを分析から導き出された、過去最もサービスや製品を購入してくれている層です。 つまり、企業側がマーケティングや販売を集中的に続けたいと思っている層です。過去の情報を用いて作成された、理想的な顧客の架空の像とも言いかえることができます。

    各バイヤーペルソナには、「職業」「年齢」「住んでいる地域」「年収」「趣味」「好きなソーシャルネットサービス」「スマートフォンをよく触る時間帯」「日頃の悩み、そしてその悩みを企業のサービスや製品がどのように解決するか」など、あらゆる情報が含まれています。 バイヤー・ペルソナとは、誰かを一般化して表現したもので、キャラクターのようなものです。さまざまな特徴を具現化した人物ですが、実際に存在する実物ではなく、架空のものです。 バイヤーペルソナは、年齢、既婚か未婚か、女性か男性か、といった従来のターゲットよりもっと詳細なキャラクターを指します。例えば、ペルソナの設定内容として、以下の内容が挙げられます。

    • 日比野望(仮名)
    • 女性
    • 36歳、既婚
    • 夫(38歳)、小学2年生女児、幼稚園(年長)男児との4人暮らし
    • 東京都多摩地区在住(賃貸マンション)
    • 両親は神奈川県、夫の母は愛媛県在住
    • 私立大学経済学部を卒業してIT企業に就職後、27歳で結婚
    • 週3日スーパーでパート勤務。そろそろ正社員に復帰したい
    • 年収90万円、夫の年収450万円
    • 趣味は料理と整理整頓、新しい収納グッズは日頃からチェックしている
    • 友人とのコミュニケーションツールは主にLINE

    ・ ・ などなど といったように、細部まで細かく項目を設定していくことで、その人の境遇や状況、心境などを具体的にイメージすることができ、その人向けの製品やサービスの開発、売り方などがより具体性を持って見通すことができるようになります。

    しかし、「バイヤー」という言葉は、非常に柔軟性のある言葉です。バイヤーとは、買ったことのある人のことです。バイヤーは、これから買おうとしている人でもあります。 そしてバイヤーは、計画的に買おうとはしていない、つまり衝動買いする可能性のある見込み客のことでもよいのです。 理想的な顧客が誰であるか、彼らはどのような生活を送っているのかか、彼らが直面している課題は何か、などを特定する際に役立ちます。

    例えば、製品のエンドユーザーが購入する前に、部下など他の人の承認を得る必要がある場合は、その決定に関わる各個人は別のペルソナとなります。 彼らは製品を評価する際に異なる基準を持っており、そのニーズに対応するためには異なる戦略が必要となります。

    バイヤー・ペルソナは、カスタマー・ペルソナやマーケティング・ペルソナ(またはプロファイル)と呼ばれることもありますが、全て同じ意味を表します。バイヤーペルソナを作成することで、人々が自社の製品やサービスを購入する理由を理解し、将来的に提供するコンテンツをどのように改善できるかを理解することができます。

    なぜバイヤー・ペルソナが重要なのか

    購入者のバイヤー・ペルソナを設定することで、お客様の獲得やサービスに関わるすべてのマーケティング活動が、ターゲットとなる購入者のニーズに合わせてパーソナライズ化されて行われるようになります。

    多くの企業が「お客様が何を必要としているか」ではなく、「自分たちが何をしているか」を重視している場合があります。 これでは、見込み客を効率的にコンバーションに導くことができません。 見込み客が製品やサービスを選択する際、以前使用して気に入ったものや、良い口コミが多い製品など、信頼できるものに惹かれます。 こういった信頼を築くためには、見込み客をしっかりとリサーチして、彼らのニーズを理解することが一番の近道です。

    ビジネスで見込み客からの信頼を得るためには、競合他社との差別化を図り、自社ブランドやサービスをしっかりとブランディングする必要があります。 まず、潜在的な顧客の悩みやニーズに対応することで、見込み客にアプローチします。すると、見込み客はその会社が提供するサービスや製品を検討するようになります。 バイヤー・ペルソナを作成し、それを継続的にビジネスに活用することで、顧客のニーズを中心に据えることができるのです。

    どのようにしてバイヤー・ペルソナは用いられるのか

    バイヤーペルソナを作成するプロセスは、様々な情報が必要になります。

    ペルソナを作成するためには、まず理想のお客様の定義をしっかりと確認することから始まります。この作業をすることにより、今まで気づかなかったことに気づくことができます。 そして、自分の考えを同僚の考えと比較することで、視点の矛盾を発見し、それを解決するための議論を深めることができます。

    このように、バイヤー・ペルソナの直接的なメリットは、顧客のインサイトと部門間の連携を得ることができることです。 これにより、マーケティング、営業、製品開発、カスタマーサポートのすべてが、理想の顧客について同じ認識を共有することができます。 そして、ペルソナを使って仕事の方向性を決めることができます。

    製品開発チームでは、製品のロードマップを作成する際にバイヤーペルソナを使用することができます。 バイヤー・ペルソナは、お客様が最も必要としているものに基づいて、製品のアップデートすべき点を特定し、優先順位をつけるのに役立ちます。

    マーケティングチームは、効果的な戦略を構築するためにバイヤー・ペルソナを利用することができます。 コンテンツマーケティングの戦略を立てる際、ペルソナは非常に重要です。 また、プロモーション活動の優先順位を決定する際にも役立ちます。 バイヤー・ペルソナは、営業チームが潜在顧客との信頼関係を築くのにも役立ちます。

    見込み客が抱えている問題をしっかりと把握し、その問題を解決するための準備をすることで、営業チームはより効果的に活動することができます。 そして、カスタマーサポートチームはペルソナを使ってお客様により良いサービスを提供することができます。 お客様が製品やサービスに抱えている問題や、クレームを受けた際の問題を解決するのに役立たせることが出来ます。

    さいごに

    バイヤーペルソナとは、リサーチして得られた情報によりターゲットとなる見込み客を表したプロフィールのことです。 過去の情報や行動を分析してターゲット層のプロフィールであり、セールスやサポートを成功に導くためのキーポイントとなります。

    バイヤーペルソナは、マーケティング戦略を実行する上で大きな指針となり、現代の企業には必要不可欠なものといっても過言ではありません。 バイヤー・ペルソナを用いて、自社のソリューションから恩恵を受ける人々のタイプと、解決する課題を明確にすることは、顧客を惹きつけ、維持するための努力に不可欠です。

    ペルソナを作成しても、どのチームも参考にしないのであれば意味がありません。 また、バイヤー・ペルソナはマーケティングだけに使うものではありません。ペルソナを作成する際には、マーケティングチームから営業チーム、製品やサービスのチームから経営陣まで、会社全体の意見を集める必要があります。 優良顧客の理解を共有した上で、会社全体が利益を得ることが出来るような適切なバイヤー・ペルソナを作成しましょう。