カスタマー・サクセスとは

  • ビジネスを成功させるためには、優れた営業チームとマーケティングチームの連携が必要であることは周知の事実です。しかし、テクノロジーが進化し顧客に無限の選択肢がある現在、戦略的に営業とマーケティングを行わないと成長を維持することはできません。

    また、企業はもはや、顧客を固定するための年間契約(サブスクリプション)に頼ることはできません。競合他社にも魅力的な製品はたくさんあり、絶えず進化しています。さらに、過去10年間で顧客獲得コストは確実に上昇しています。 では、企業が成功するために、他に何ができるでしょうか? その答えは カスタマーサクセスに投資することです。 カスタマーサクセスは、業界を問わず、今日のビジネスにおいて最も人気のある新たな成長機会の一つです。

    カスタマー・サクセスとは

    カスタマーサクセスとは、お客様の課題や疑問を予測し、その解決策や答えを積極的に提供することです。 カスタマーサクセスは、お客様の満足度と維持率を高め、ビジネスの収益と顧客ロイヤルティの向上に貢献します。

    カスタマー・サクセスに投資すべき理由

    近年、企業が新規顧客を獲得するにはコストがかかるようになりました。だからこそ、既存のお客様を満足させることに注力しなければなりません。満足度の高いお客様は、企業やブランドのファンとなりリピーターになってくれます。

    一般的に、右肩上がりに成功している大企業やベンチャー企業は、カスタマーサクセスに投資している場合が多いです。 成長中の企業は、売上が低迷し伸び悩んでいる企業に比べて、カスタマーサクセスを優先する傾向が高いというデータがあります。 ​​そういった成長中の企業は、今日のビジネスを運営する上で最も費用対効果の高い方法は、顧客の満足度を高めることであると気づいているのです。

    カスタマー・サクセスとカスタマー・サポートの違い

    カスタマーサクセスは、カスタマーサポートと密接に連携することにより、お客様の満足度を更に高めることが可能です。

    カスタマー・サクセスの役割

    カスタマー・サクセスは、お客様とコミュニケーションをとり友好的な関係を築くことに重点を置いており、顧客を成功に導くことが目的です。つまり、アクション起点は顧客ではなくサービス提供側になります。お客様が購入した商品のフィードバックや、時には苦情を積極的にヒアリングします。それを元に更に製品やサービスをアップデートして進化させていくのです。

    カスタマー・サポートの役割

    カスタマーサポートは、電話、Eメール、ソーシャルメディアなどで、お客様からの質問や問題、リクエストに対応する仕事です。 お客様から問題を提起されたときにそれを解決するものであり、お客様からの具体的な要望に対応します。アクション起点はお客様となります。

    カスタマー・サクセスを成功させる方法

    カスタマー・サクセスを成功させるためには、適切な戦略を立てる必要があります。会社が販売する製品や、お客様があなたに何を求めているかによって、カスタマーサクセス戦略はそれぞれ異なります。その場合にも効果的な汎用的な戦略というのは存在しないので、自分の会社に適した戦略を立てる必要があります。 そのための効果的な方法をご紹介します。

    カスタマー・サクセス・マネジメントを設定する

    カスタマー・サクセスをする上では欠かせない、カスタマー・サクセス・マネジメントという概念があります。 これは企業のカスタマーサクセスを統括する役職やチームを設置し、カスタマーサクセス戦略を維持することで、お客様の満足度を高めることです。

    カスタマー・サクセス・チームの代表者やマネージャーの人数は、ビジネスの規模や人員数によって異なります。会社の成長に合わせてカスタマー・サクセス・チームを拡大し、お客様を積極的にサポートできるようにしてください。

    カスタマー・サクセス・マネージャーという役職は、お客様と直接仕事をする担当者のグループを統括します。会社の規模や組織によっては、カスタマー・サクセス・マネージャーは、シニア・マネージャーと兼任することもあります。 カスタマー・サクセス・マネジメントは、お客様の満足度や収益直接影響するため、ビジネスの収益性を保つ上で非常に重要な役職です。 本格的にカスタマーサービスに注力する場合、このような役職も創設する必要があります。

    お客様を第一に考える

    お客様に最高のサポートを提供するためには、お客様が製品を使用する際に発生する質問を事前に予測しておく必要があります。 お客様がサポートに電話をかけてきた際に、長時間電話を保留にしたり、問い合わせに対する回答を待ったりすることがないように、メンバーに事前に製品に関する教育をしっかりしておく必要があります 製品や機能の説明を記載したガイドラインを作成したり、即時にお客様の質問に答えることができるAIボットをサイト上に設置することも効果的です。

    他のチームと積極的にコミュニケーションをとる

    社内のさまざまな部署の間でコミュニケーションを積極的にとることが、お客様への貢献につながります。 マーケティングチームと協力して、製品や機能の仕組みを説明するブログやビデオコンテンツを作成したり、営業部門と協力して、お客様が抱えている問題点を理解することが例にあげられます。 このように連携を取ることで、お客様の状況を深く把握出来ることに繋がり、一貫した対応ができるようになります。

    顧客ロイヤリティを重視する

    顧客ロイヤリティ(※)は、お客様のビジネスに対するポジティブな経験から生まれます。

    顧客ロイヤルティ(顧客ロイヤリティ)とは、顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことを指します。 ロイヤルティとはもともと忠誠心を表す「Loyalty」から派生しており、企業に対する信頼や愛着の大きさを、ロイヤルティが高い(低い)と表現します。 参考サイト https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2016/customer-loyalty”ww.emotion-tech.co.jp/resource/2016/customer-loyalty お客様には、製品やサービスを利用して満足感を感じていただき、投資に見合った価値を得ていることを確信してもらうことが重要です。

    顧客のロイヤルティを促進し、ブランドの支持者やリピーターを確立し、顧客維持率を高める方法は数多くあります。 例えば、カスタマー・ロイヤリティー・プログラムを作成したり、既存のお客様同士が交流できるコミュニティを構築したり、既存のお客様が追加購入する際にポイントや割引制度を設けたりすることが挙げられます。

    無料お試し期間(トライアル期間)を設定する

    製品やサービスを使っていただく最初の段階で、無料お試し期間を設定することも効果的です。 お客様に必要なツールを提供し、お客様に喜んでもらい、製品の良さをしってもらうことで、そのまま有料会員になってもらえる可能性が高くなります。

    さいごに

    お客様に「サービスを利用してよかった」と思ってもらうことは、ビジネスの成功につながります。 お客様の満足度を高めることに努めることで、お客様がサービスのリピーターとなってくれることに繋がります。

    カスタマーサクセスに注力することで、お客様がリピーターになってくれる可能性が高いです。 定額制のビジネスであれば、更新率の向上につながるのです。 満足度が高いお客様が増えれば、解約率も下がります。 解約率を下げ、顧客維持率を高めることは、収益に直接影響します。

    新規顧客の獲得には、かなりのコストがかかります。そこで、既存の顧客を大切にし、友好的な関係を維持することで、低コストで収益が増加します。 カスタマーサクセスは、解約率を下げ、更新率と満足度を向上させ、その結果、収益を上げることができるので、収益に直結するのです。 最も成功している企業は、顧客の満足度を高い水準で維持している企業です。

    カスタマーサクセスに注力することで、お客様との長期的な関係を築きながら、持続的な成長を実現することができるのです。